AGCファーマケミカルズは、バルセロナ(スペイン)のマルグラット・デ・マールにある工場に、総投資額1億ユーロ超となる最先端の新製造棟を開設いたしました。本新製造棟は、当社の成長戦略における重要なマイルストーンであり、特にがん領域や高薬理活性の医薬品分野の開発を長期的にサポートすることが可能となります。これにより、当社バルセロナサイトの生産能力は30%増強され、高薬理活性原薬(HPAPI)専用の新製造設備も導入されました。
また今回の戦略的拡張は、イノベーション、サステナビリティ、研究分野における当社の長期的な取り組みを強化するとともに、カタルーニャ地域の社会経済的発展を促進し、優秀な人材の雇用創出や科学・産業分野への人材誘致にも貢献します。そしてカタルーニャ州が世界有数の製薬・ヘルスケア産業の拠点としての地位をさらに高めることに貢献します。
開所式には、AGCファーマケミカルズヨーロッパCEO 栗原 淳、AGC株式会社 CTO 倉田 英之をはじめ、在バルセロナ日本国総領事 四方 明子氏、マルグラット・デ・マール市長 Sonia Viñolas氏、カタルーニャ州企業・雇用大臣 Miquel Samper氏など多くの来賓が出席しました。
栗原氏は開所式で、「この施設は単なる建物ではなく、健康・イノベーション・サステナビリティへの当社のコミットメントの象徴です。今回の拡張により生産能力を増強し、最高品質の医薬品製造を通じて人々の生活向上に貢献するという当社の使命を改めて強く意識し、実行していきます。関係各機関やチームの皆様のご支援に深く感謝し、カタルーニャ州でこの事業を展開できることを誇りに思います。」と述べました。
Viñolas市長は、「工場の拡張は産業的なマイルストーンであるだけでなく、その実現を信じた人々の才能、努力、情熱の証です。」と強調しました。
Samper大臣は、「政府はAGCの新製造棟開設と地域へのコミットメントを歓迎します。化学・製薬分野という地域経済にとって極めて重要な産業での高付加価値プロジェクトは、高度な専門性を持つ雇用創出にも寄与します。」とコメントしました。
イノベーションとサステナビリティへの戦略的投資
今回の7,500㎡の拡張により生産能力が30%向上し、さらにOEB5レベルの高薬理活性原薬(HPAPI)の製造が新たに可能となりました。この工場内でグラム単位からトン単位まで対応することで、医薬品開発の初期R&Dから商用生産まで全ての工程をカバーします。
インフラには最先端技術が導入されており、様々な反応基(1.5~7.4m³)やOEB5レベルのHPAPIを安全かつ効率的に管理できる高度な封じ込めエリアも設置されています。
この新製造棟は各反応系列を水平に設置するレイアウトを採用し、運用管理・スペース活用・長期的な拡張性を最適化し、世界最高水準の安全性と品質を満たすシステムが備えられています。モジュール型設計により、将来的な設備の導入、機能の拡張も容易です。
HPAPI製造のエコシステムを包括的に構築
高薬理活性原薬(HPAPI)は医薬品開発の最前線にあり、これまで困難だった複雑な疾患へのアプローチが期待されています。世界的にHPAPIの需要は増加していますが、その製造には封じ込めリスクや拡張性、規制対応など独自の課題があります。
AGCファーマケミカルズは、HPAPI製造の各段階に対応する以下の施設を完備しています:
- R&Dセンター
- キロラボ
- 品質管理ラボ
- 製造工場
20年以上にわたりFDA483指摘ゼロの実績と、持続的イノベーションへの強いコミットメントにより、AGCは創薬から商用化までを包括的にサポートし、安全性・品質・柔軟性において業界をリードしています。
AGCファーマケミカルズの高薬理活性物質の製造技術は、2025年CDMOリーダーシップアワード「ベスト・マニュファクチャリング・ケイパビリティ部門」受賞により、業界からも高く評価されています。